10.ラリーコンピューターの距離表示

 ここまで、コマ地図について詳しく説明をしてきましたが感の良い方なら、

 コマ地図で読み上げる距離は、厳密に何処から何処までの距離なのか?

 また、車両についている標準のメーターでドライバーが見るか?

 それとも何か別の機械をつけてナビゲータが見るものなのか?と、

 疑問に思われたかも知れません。

 ここでは、上記の距離や、どのようにそれを行うのかを説明します。

 

    停止標識        停止線

 コマ地図間の距離

 

  コマ地図間の距離は特に指示が無い場合は、以下のように定義されています。

 

  ・各交差点の停止線

  ・各交差点の一時停止標識(停止線がない場合)

  ・交差点やカーブのハンドルの切り始め地点

 

 コマ地図に記載されている距離の単位をみると解ると思いますが、

 殆どのラリーのコマ地図が10m単位まで記載されています。

 交差点と交差点が近い場合や、同じ位の距離に似たような交差点形状が

 ある場合は、距離だけが頼りになりますので、コマ地図内に記載されている

 計測地点(主催者が計った場所)が非常に重要となってきます。

 また、この後のページでも案内しますが、ラリー区間中の減点を採点する際に

 この距離の誤差が、時間の誤差となって現われて来ますので、非常に重要です。

画像はF-ROMです。

1m単位での距離の表示が可能です。

 距離を見るのは?

 

 基本的にこのコマ地図間の距離を見るのはナビゲーターの仕事になります。

 ここで以前のページで触れた「ラリーコンピューター」が必要となってくるのです。

 

 どのメーカーのラリーコンピューターも必ず距離を表示することが出来ます。

 その表示は、メーカーによっては1m単位まで計測できる優秀な物です。

 車についているメーターは100m単位までしか細かく表示できませんので、

 このラリーコンピューターは必須のアイテムとなります。

 ラリーコンピューターには色々な機能がありラリー中にそれらを駆使することに

 なりますが、ここでは、先ほどから説明している、距離に関する操作を案内します。

 

 

 

 ラリーコンピューターの距離表示

 

 以前にも書きましたが、現在、国内で入手可能な主な機種は4機種ありますが、

 ここでは、MS-WANTSが利用しているF-ROMの画面で説明します。

 他のラリーコンピューターでも押すボタンなどは違いますが仕事の内容は同じです。

 

 上記のようにコマ地図の交差点に来たら、停止線や停止標識また何もなければ

 ドライバーのハンドルの切り始め時に、左の画像のようにトリップクリアの

 ボタンを押します。タイミングですが、停止線や停止標識などの場合は、

 車両のフロントタイヤの中心がラインに乗った時、ハンドルの切り始めは、

 ドライバーがハンドルを切り始める時になります。初めのうちはドライバーに

 声を掛けて貰うと解りやすいと思います。トリップクリアボタンを押すと

 そこでトリップが0となりますので、次のコマ地図までの距離を 見ましょう。

 この作業をコマ地図が出てくる度に繰り返します。次のコマ地図までの距離は

 非常に重要な情報になりますので、押し忘れてしまうと

 ミスコースにつながります。簡単な作業とは裏腹に非常に重要な仕事となります。

 

 コマ地図に記載されている距離が近づいて来たらドライバーに声をかけましょう、

 ドライバーの好みにもよりますが、残りが500m程度になったあたりで、

 「後、500m」と伝えればドライバーも安心できますし、ナビゲーター自身も

 再確認できるので、ミスを防ぐのに非常に有効です。

 では、次のページで先ほどのコマ地図を利用して、ドライバーへの伝達方法と、

 ラリーコンピューターの操作のタイミングのイメージをご紹介します。

                             

 

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